社団法人燕三条青年会議所〜志あるところに道あり〜

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 2008年10月28日(火)ハミングプラザ VIP三条にてJC誕生の日 永井一郎氏による 「バカモン 〜波平 日本を叱る〜」の講演会が行われました。一般参加者も170名もの方々から参加頂き、会場は、ほぼ満席になるほど埋まりました。
 開会5分前になると、寺子屋調整委員会の鶴巻委員長より、燕三条青年会議所の説明等の後に、今年度行われた寺子屋つばさ事業について映像を通して説明が行われました。事業を行う意義や目的の説明から、この事業によって得られた事等の説明があり、内容が青少年育成事業で、今回は子育てに関わる講演会への参加者と言う事もあり、食い入るように、映像を見て説明を聞いている姿が印象的でした。

 講演会が開会し、最初に、主催者代表挨拶として嘉瀬理事長より挨拶が行われ、本日参加頂いた事への御礼とJC誕生の日の説明、そして今年度力を入れてきた青少年育成事業、燕市と三条市の合併問題の事、そして本日の講演会の内容については、サザエさんを通しての古き良き日本の家族の団欒や躾等を感じ取って頂きたいとお話がありました。
 講師が入場され、親の寺子屋委員会の稲庭委員長より講演会の趣旨説明がありました。失われた古き良き日本の人の心や、子供達をより良く成長させる為に我々が人として成長しなければならない等と、参加者に訴え掛ける。そんな感じさえ受ける想いを込めた趣旨説明でした。

 講師の永井氏は、京都大学文学部仏文科卒業後、電通勤務と言うエリートコースを歩み、俳優に転身され、新劇からミュージカルまで幅広く活躍されました。
、自身の知識・経験、そして今回は「サザエさん」の磯野波平役という視点も踏まえて、戦後失われつつある古き良き文化、人と人との関わり方や躾のあり方を社会に起こる問題を例に挙げながら講演頂きました。

 壇上から、一言目に「え〜 波平です」の一言に会場はからは笑いがこぼれ、そして、サザエさんを切り口に、お話が始まりました。
 「40年間波平役を務めて続けましたが、40年間は本当に長い世界中を探してもこの様な番組は無いだろう本当にギネスものだと思う。40年間毎週木曜日11時に必ず収録が行われますので、40年間ピチッとスケジュールを皆で合わなければなりませんし、他の仕事との兼ね合いもありますので40年間で3回しか東京から出る事が出来ませんでした。本当に過酷な事です。」 そんな事を40年続けて行くとよく雑誌テレビ等のインタビューで、何故波平は叱れるのかという質問がよくあります。そんな質問に逆に何故叱る事が出来ないのか聞き返したら答えが返って来なかったと言うお話がありました。 
 何故波平は叱れるのか、終戦まもなくから始まったサザエさん。波平は52歳位で、年齢から逆算すると明治生まれになり明治の美学をもった人間と言う事になります。何故叱れるのか、「それは明治の躾・明治の美徳から成り立っているからである。」と言うお話があり、何故今の親が叱れないのかは、規範を持っていないから、怒る事は感情論で簡単だが、叱る事は基準が必要でそれが無いから叱る事が出来ない。そして、今の親は分別を教えておらず、親がよく人に迷惑を掛けるなと教えるが、何が人にとって 迷惑か教えない。その事の意味を懇切丁寧に教えなければならない。そして良い事・悪いこと、それに対しての何故ならばを教える事が大切で、それを繰り返していくと段々自分でもわかってくるようになる事。これを分別と言い、現代の若い親自体も分別が無いようにさえ感じる事があるとお話があり、先ず親がしっかりとした規範と分別を持ち叱れる様にならなければ何をどう叱って良いかわからないのだから、叱れる訳がない。

 教育と言うものとは
 アメリカ仕込の自由と平等とマナー等がまずいけない。先生が教室で騒がしい生徒を叱ると、保護者からのびのび育てていると言われる事等がよくあると言う。子供は自然のまま大人になると思ったら大間違いであり、その結果現代に不条理な犯罪が増えてしまっている。悪いのは他の何者でもなく全て親が悪い。
 自由と平等の本質も考えずに字面だけが一人歩きし、日本の美徳は地に落ちてしまった。のびのび自由にとルールとは全然違い、政治もゆとり教育になったりならなかったりと、教育とは何なのかがわかっていない、教育とは立派な社会人を作る事それだけであり、それだけをしてあげれば、子供達は自分達で、進むべき道を自分で決めてい ける。それ以外でも学校でよく個性を伸ばそうと言う言葉がありますが、個性は抑えても抑えてもどうしても出て来るのが個性で伸ばすのではなく勝手に出てくる。そんな事よりも、ゆとり教育や押し付け教育等でではなく、子供達、興味を引き出して上げる事が大切で子供達は興味を持ち面白いと思えばなんでも一生懸命夢中でやります。先生にはそんな学校・教室にしてもらいたいです。

 人間であるが故に摩り替わっていってしまった幸せ
 生き物は幸せになる為に行動している。究極の幸せとは良い子孫を残すことである。良い子孫を残す条件として、金や権力等も含まれるが、それがいつしか、条件の一部でしかないる金や権力を求める事が幸せだと摩り替わってしまった。こうなって見ると、物々交換をしていた頃がまだ良かった。お金が出来た為、人間が壊れ、その人間が地球までも壊していく。

 勘違いしてしまっている若者
 最近良く耳にする自分探し、その為に海外へ放浪の旅にでたりしますが、自分なんか探さなくったって、ここにいる。海外に行くこと自体は良い経験にはなりますが、自分なんか何処にいても探す事が出来る。
 クラーク博士の少年よ大志を抱けという言葉を都会へ行く事や金持ちになる事と勘違いしている若者が多い。大志を抱くと言う事は、大きな志を抱く事で、都会でなくとも田舎で農業をする事でも出来る事。それを勘違いして故郷を捨て都会へ出て行く若者が多い。

 最後に燕三条に先生より、メッセージを頂きました
 燕三条はドイツのゾーリンゲンにも似た世界に冠たる生産地です。皆で協力して素晴らしい生産地にして行く事が大切で、この地場産業の後継者の皆さんも、親の後を継ぐと言うプライドを持って欲しい。仕事の質を上げ大きく広げて、世の中に根付かせた発展が必要。そんな姿を自分達の子供に見せて欲しい。

 この講演会を通して先生が仰られたキーワード、日本の美徳・規範・分別・ルール・そして幸せの意味この言葉とその意味を忘れずに、そして子供達に伝える事だと感じました。そして、会場の雰囲気、聴いている人達の表情から、この話を聞いた全ての人が、本当に為になる貴重な話を聴けたのだと確信しました。

 

取材者 寺子屋広報渉外委員会 玉木 一朋

 

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