2008年10月5日(日)AM9時より、八木鼻オートキャンプ場にて、寺子屋つばさ事業「〜体験・発見・全てに感謝〜」の第4回目、食事作りと収穫祭がさわやかな秋晴れのもと開催された。子供たちが最も楽しみにしていたこの日、5月11日の田植え体験からはじまった寺子屋つばさ事業も、いよいよクライマックスを迎え、喜びと苦労を共にし友情を深めてきた仲間たちと、朝からふざけあったりキャンプ場内を所狭しと走り回ったりして遊んでいた。
収穫祭の開会に先立ち、(社)燕三条青年会議所の嘉瀬一洋理事長は、子供たちに対し日本の国旗を見せ、日の丸の由来(太陽を象徴)を説明し、「お米が育つ為にきれいな水と同じくらい大切で重要な太陽。私たちが生まれるずっと昔から、大地に恵みを与えてくれました。この素晴らしい太陽にみんなで感謝しながら、そして今までこの事業に携わって頂いた全ての方々に感謝をすると共に、いつもおいしいご飯を作ってくれるご両親に感謝をして、今日は存分楽しみましょう。」と挨拶した。
この後、寺子屋地域ネットワーク委員会の加藤将利委員長より、本日の趣旨説明と全体のスケジュールの流れ、そして注意事項などが伝えられた。断崖絶壁の八木鼻を指さし、「食事つくりの前に、みんなであそこの頂上まで登りましょう」という加藤委員長の案内に、子供たちというよりはむしろ、LOMのメンバーの顔が一瞬曇った。メンバー1人1人の脳裏に、あの100km徒歩の旅の、弥彦山登山の想い出がよぎったのだろう。
ウォーミングアップと怪我をしないためにと、全員でラジオ体操を行い、虫さされのスプレーをかけ合い、トイレにも行って、さぁ登山準備万端。スタッフの掛け声と共に、それぞれグループ毎に八木鼻頂上に向けて出発した。
途中、八木神社に立ち寄り安全祈願を全員で行い、いよいよ山道へ。「熊出没注意」の看板を横目に、でも子供たちは元気良く頂上目指して歩いていった。最初は、木から落ちた栗を見つけて喜んだり、花を観賞する余裕があった子供たちも、次第に道も険しく勾配が急な坂道に、言葉が少なくなっていった。通常では約30分の登山ということだが、子供たち以上に普段運動をしていないメンバーにとってはこれが結構きつく、頂上に約1時間弱かけて頂上に到着した時には、かなりバテバテの状態であった。
けれど、眼下に広がる雄大な景色に、今までの疲れは一気に吹き飛んだ。私自身も生まれて初めて八木鼻に登ったが、まさかこんな素晴らしい風景を見ることが出来るとは思ってもおらず、まさに今回の寺子屋つばさ事業「〜体験・発見・全てに感謝〜」のテーマに相応しい体験をすることが出来た。また、この八木鼻に苦労しながら一緒に登りきった親子の姿や子供たちの姿を見て、絆がより一層強くなったなぁと感じた。
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この後、グループ毎に頂上で記念撮影をし、来た道を一歩一歩確実に下り、最終的に大きな怪我もなく全員無事下山することが出来た。
真っ白くなるまで
ペットボトルに玄米を入れ、マイ箸を製作した時に残った桜の枝をそこに差し
込んで一生懸命つっ突いてモミ殻を取り、玄米を真っ白くなるまで削りました。昔はこの様に精米は人力で行い、やがて水車を活用し、いつしか機械が登場して現在に至ります。子ども達は一番古い精米の仕方で、お米が真っ白くなるまで、自分自身も真っ白くなりそうになるまで、無我夢中に桜の棒で玄米を突き続けました。
未来への懸け“箸”
さあ、いよいよ昼ご飯の準備です。自分達で植えたお米で炊くご飯、パートナ
ーは下田産のお味噌と野菜と豚肉で作る豚汁。そうです、今日の昼ご飯で子ども達の地道な作業と地域の産物が融合するのです。とても明るい未来が見えます。同時に、そけには昔から引き継がれる地域に根付いた知恵や経験や情熱が生き生きと活きています。
子ども達はこの特別で格別なご馳走を自分達で頑張って製作したマイ箸・マイ茶碗で「こんなにご飯食べたの初めて!!」と美味しく美味しく頂きました。
小さな冒険家達
食事が終わると、しっかりと自分達で洗い物、「お母さん、お祖母ちゃん、いつも大変だったんだね」という声があちこちから自然発生します。洗い物を終えるとおやつの時間、味噌握りおにぎり、それにポップコーン風にフライパンで玄米を炒ったポップライスに子ども達は飛び付きます。子ども達にとっては新鮮な驚きと発見の連続だったのでしょう。誰もが新大陸を発見した冒険家の様に瞳をキラキラ輝かせて冒険録=感想文の執筆に取り掛かりました。
体験・発見・全てに感謝
感想文の発表です。子ども達の感想文の全てには田植え、マイ箸・マイ茶碗作
り、稲刈り、それを一緒に経験した仲間達とまた一緒になって取り組んだ調理・食事、そうです、「ここでしか出来なかった」体験に対する喜びの言葉が踊ってました。
また同時にそれらの体験や毎日の生活を支えて下さる農家の皆さん、職人の皆さん、お母さん、お祖母ちゃんへの感謝の気持ちがより強い躍動感で輝き、その輝きに対して青年会議所のメンバーは「その感謝の気持ちを毎日の生活の中で忘
れないで!」「お家に帰っても出来ることから始めて自分の力で自分の生活を変えてね!」とエールを贈り、最後に、理事長 嘉瀬一洋は「ご飯を食べる、ということは沢山の人達の助けがあって初めて成り立っていると皆さんに分かってもらえたと思います。その助けに対するこの感謝の気持ち、忘れずに、思い出しながら、毎日の生活を送ってください」と結びました。
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