Future museam未来資料館

既存産業とのコラボレーション

前回調査してもらった、県央地域の開発とともに産業を活性化させるとどうなるのかシミュレートしてみました。

産業面では、県央商業地区へのショールームや商談施設により、既存のものづくり産業との企業間コラボレーションが加速します。それにより地域企業の技術の高度化や共同受注の促進による仕事量の確保により誰もが安心して働けるまちとなります。

 

また、駅中心の都市計画が出来るようになることにより、JRと燕三条市が連携し、燕三条駅の1Fを利用した産業展が頻繁に行われ、商業マッチングの機会創出も考えられます。例えば図23に示しているのは東京都台東区で現在「ものづくり」をテーマとしたアトリエショップ(工房+ショップ)」を行っており、これまで「職人の街」として、無骨な少し近寄りがたいイメージがあった街を一新しました。

 

図23 2k540の外観と高架下のショップリスト

 

各企業やショップを高架下の区域に隣接させることにより、駅を利用する人達が訪れ、観光や商品の購入、また商談などを行っています。これは「都会だからできる」ではなく、街の特性をうまく利用したからできた。です。情報は外に発信する事で意味が生まれます。燕三条地域の玄関口である燕三条駅周辺を活用する事によって、地場産業の発信と発展を加速させる事が出来ます。

 

そして、駅を利用する利点としてもう一つ、県外企業がものづくりの街として栄えてきたこの地域とのパイプを持ちやすくなることです。現在AIやIoTなどが急速に発展してきており、今後必ず全ての産業に関わってくる分野です。これら新しい技術を活用し、サービス展開をする第3次産業を「ニューエコノミー」と呼びます。

中核市へ移行することで得られる都市計画の権限とともに、中核市のスケールメリット、そして「中核市」という都市イメージを活用し、新たな産業を呼び込み、既存の産業とコラボレーションすることで、さらに産業を進化させることで、日本有数のオールラウンドなものづくりのまちへと深化するでしょう。

 

図24 ソフトウェア開発企業とIoT化の工場イメージ

 

工業地帯にはソフトウェア開発の企業が増え、若者が自らの個性を活かした企業を選ぶ事が出来るようになることにより、雇用機会が増え、転出減、そして他地域からの転入も増やす事が出来るようになります。それに伴い工場のIoT化も進んできます。それにより燕三条地域のみで日本のものづくりや最先端技術を支えることのできる産業都市へと生まれ変わります。

駅周辺には大手商社が生まれ、工場地帯は世界のIoT技術を担う地域になるでしょう。またさきほど話した通り移住区域からのアクセスも良く、働きやすい地域となります。20代の若者に対しても、商業の選択幅が広がり働きがいのあるまちに変化し、この地域のみならず県外からも仕事を求め訪れる人たちが後を絶たなくなるでしょう。

それには「2.独自の都市計画」で記載した、「集積効果」(下図)の考え方が重要となってきます。