2040年の燕三条地域
まずは街にとって一番重要な「人口」について見ていきましょう。
2015年の人口は、燕市は「約8万人」、三条市は「約10万人」です。地域全体として両市を足して、2040年までの予想をしてみると下の図のようになります。
図1 人口推移(三条市と燕市の合算)RESAS 地域経済分析システムより
2015年では、燕市と三条市の人口を合わせると約18万人となっています。これが2040年になると約、13.7万人と4.2万人(三条市2.2万人、燕市2万人)もの人々がこの地域から減ってしまうことがわかりますね。
※ 「年少人口」は生まれたばかりの子供から中学生まで、「生産年齢人口」は働き盛りの人たちのこと、それ以上の人たちを「老年人口」と言います。
その世代別の増減は下のようになります。
老年人口(65歳以上) 約1,000人増 1.9%増
生産年齢人口(15~65歳) 約32,000人減 31.2%減
年少人口(0歳~14歳) 約9,000人減 40.9%減
働き盛り、そして子供たちがとても減ってきているのがわかるかと思います。
図2 人口ピラミッド(燕市と三条市の合算)
ここで注目すべきは2015年の20代の人口です。この世代はこれからの燕三条地域を担っていく世代であると共に、次世代の子ども達を生み、育んでいく非常に重要な世代なのですが、2015年をみると他の世代に比べて少なくなっていることがわかります。その結果、生まれる子どもが減少し、2040年では年少人口も減少しています。この状況が続いてしまうと地域に子どもの生まれない「人口減少の負のスパイラル」を生むことになります。
図3 人口減少の負のスパイラル
図4 燕市と三条市の項目別人口増減と総人口
図は引っ越しなどで増減する数字(社会増減)と亡くなる人や生まれる子どもで増減する数字(自然増減)についてのグラフです。こちらをみると出生数が減少して死亡数が増加しています。そうするともちろん自然増減は減少します。
自然増減についてはさきほども書いた通り「20代」がいなくなって子供が減っている事が原因だと思われますが、社会増減はなぜ起こるのでしょうか。下の図で確認してみましょう。
図5 転入出理由(2014年燕市データ)
上の図は燕市が調査した転入出データとなります。ここを見てみると職業、つまり就職によっての転入出が一番多いことがわかります。就職、引っ越し、進学で住まいを変えるのは10代後半から20代の若い世代に多く、この若い世代がいなくなる事により自然増減の問題につながる事が分かりました。
ここで、人が減ると住む人にどのような影響があるのか見てみます。下の図は国土交通省が公表している資料で、人口減少がもたらす悪循環について記載されています。
図6 人口減少の悪循環イメージ図(国土交通省より)
人が少なくなると生活面、仕事面、またまちづくりや行政サービスの面でも悪循環を引き起こし、さらなる人口減少が起きるとされています。これはよその地域の話ではなく、この燕三条地域にも起こってしまう問題なのです。
以上より、20代の若者が減少していることがこの人口減少の根本の問題だと考えられます。つまり、20代の人口が増えていけば「人口減少の負のスパイラル」から抜け出す事が出来るという事です。
図7 人口増加の良いスパイラル
20代の若者が増えるような「20代の住みたくなるまち」に燕三条はなる必要があります。