三条市では「凧」を「イカ」と呼び、「凧合戦」は「イカ合戦」と言います。
6月4日(土)・5日(日)、三条防災ステーションにおいて三条凧合戦が開催され、20の凧組が熱戦を繰り広げました。
三条凧合戦は江戸時代に鍛冶屋の子どもが武士の子どもと張り合い、凧で武士の子どもの凧糸を切ったことが起源と言われています。350年以上経った今も、大人たちが行う凧の合戦として続き、昨年には「越後の凧合戦習俗」の一つとして新潟県指定無形民俗文化財に指定された伝統行事です。
江戸時代の子どもの喧嘩が現在の指定文化財になるって、なんかすごいですね。
開催日は雨も降らず、風にも恵まれ絶好の凧揚げ日和。5日の午前9時より開会式が行われ、大会会長である國定三条市長を始め、 来賓の方々の挨拶、優勝旗の返還等が行われました。その後は子ども凧合戦や、アトラクションとして和太鼓演奏、一ノ木戸小学校生徒の凧ばやし披露で、会場を盛り上げます。
子ども凧合戦では子ども達が大人に混ざって大凧の糸を引き、上手く揚がるように走り回ります。我らが相場理事長も開会式に出席し、子ども達と共に凧揚げを楽しみました。今日の事は子ども達の良い思い出になったのではないでしょうか。
私自身も三条出身ですが、この日初めて大凧の糸を引かせてもらいました。風が吹くと一気に腕が持っていかれ、凧を揚がっている状態を維持するのに精いっぱい。とても貴重な経験でした。この上凧の動きを操るなんて、揚げ師の方々の技術の高さに感服です。
物販では我々燕三条青年会議所のメンバーもお手伝い。子供用のビニール凧やバッチを販売し、商売上手なメンバーにより2日目の朝には凧は完売となりました。
本番の凧合戦は2日間に渡り行われました。
三条の凧合戦では六角凧と言われる、畳2畳半ほどの六角形の凧が用いられ、 紅白に分かれて20組の凧組が優勝を競い合います。 六角凧は三条が発祥と言われているんですよ。
鮮やかな武者絵などが描かれた大きな六角凧を大空に掲げ、糸についている鰐(ワニ)という木製の道具で、相手の凧糸を切り合ったり、からませて落とそうとする空中戦は迫力満点です。
写真で激しさをお届け出来ないのが悔しいですね。それくらい凧は荒々しく動きます。地上では揚げ師たちによる「引け引け!もっと引けっやー!」「ほら落ちてきてんろー!」と三条弁の怒号が飛び交い、その様子はまさに合戦です。
2日間の合計得点で勝負し、今年の優勝は東三条五月会が手にしました。
今年の10月には、日本凧の会2016年度秋季越後全国大会が、この三条の地で開催されます。
三条市の地域に根付くこの伝統行事を絶やさぬためにも、地域を上げて盛り上げていきたいですね。