~情熱ある若者大陸~ 諏訪田製作所 水沼さん
「情熱ある若者大陸」を見て頂いている皆さま、今回めでたく10回目を迎えることになりました!パチパチパチパチ。本当にありがとうございます。目指せ20回!(^^)
さぁ今日はどんな「若者」にであえることでしょう。それでは始まり始まり・・・・
今回の情熱ある若者大陸はこちら、(株)諏訪田製作所様にやってきました。
(株)諏訪田製作所はオープンファクトリーになっていて、稼働中の工場内を見学することができます。入口に立っているこの強そうなのはアンドレ君。排出材(ブランク材)で作られたブランキングアートです。
お話を聞かせていただいたのは、(株)諏訪田製作所にお勤めの水沼樹さん。強い縁に導かれて山口県山口市からこの地に移住された水沼さんの、燕三条への考えや、交友関係に至るまで聞いてきちゃいました!
川上:ざっくばらんに色々お聞きしたいと思いますので、宜しくお願いします。
水沼:宜しくお願いします。
川上:まずお名前は?
水沼:水沼 樹(みずぬまたつき)です。
川上:樹でたつきって読むんですね。失礼ながらそういうお名前初めて聞きました。
水沼:それほど珍しい名前でもないですよ、僕は3人くらい会ったことあります。
川上:おお、そうなんですね。(株)諏訪田製作所に勤められてどれくらいですか?
水沼:2年目になります。
川上:今はどのようなお仕事を?
水沼:今は営業部に所属していますので、基本的には商品説明をしたり、展示会に出たりしています。
川上:ご出身は山口県とお聞きしました。
水沼:はい、生まれ育ちがずっと山口県山口市で、大学が明治大学で4年間東京に行き、その後新卒で(株)諏訪田製作所に入社しました。
川上:地元とは全く違う場所にある、(株)諏訪田製作所に入社したことは、やはり理由があると思いますが、そのあたりを聞かせて頂けますか。
水沼:色々な言い方があると思いますが、強い縁があり、この会社を知りました。私は大学でアルペンスキーをしており、その部活のOB会が毎年あって、そこに、小林さんというOBがいました。
川上:どこかで聞いた名前ですね(笑)
水沼:はい(笑)、その方が(株)諏訪田製作所の小林社長でした。そうして何度かお会いしていたのですが、やがて就職活動するにあたり、OBの方の会社が気になってきて、小林社長は当時髪が長かったりと、特に気になる方で、この人は何の社長なんだろうと調べたんです。他のOBから爪切りの会社だよとは聞いていましたが、調べて最初の印象としては、変わった会社だなと思いました。
川上:ほー、なるほど
水沼:その当時、僕は製造業というと、例えば工場が何箇所もあって、それを束ねてやっているんだろうなというイメージだったんです。まさか手作業で、高級爪切りという物を作っているということが、本当に目からうろこでというか、びっくりして、それが知る切っ掛けでしたね。それと、もう一つ大事な縁がありまして、私が大学で所属していた経営学のゼミの岡田教授という方が、小林社長と中学高校大学の同級生だったんです。そのゼミの合宿で第1回の工場の祭典に行くことになり、その時に岡田教授が企業をチョイスして、(株)相田合同工場さんとかも同級生だそうで行きました。
川上:ええ!そんな人が明治大学の教授にいるんですね。
水沼:その時(株)諏訪田製作所にも来たのですが、来てみたら知っている顔が出迎えてくれて、スキーのOBがいた!となってびっくりしちゃって、こんなこともあるんだなと、そういったこともありまして、(株)諏訪田製作所とは凄い縁を感じました。
川上:それは、確かに深い縁を感じますね。
水沼:あと、就職活動で自分が何をしたいのか色々考えたときに、僕は分かりやすい仕事がしたかったんですね。個人的な考えですが、例えば、コンサルティングの会社とか、銀行とか、何をしているのかはなんとなく分かるんですが、どういう気持ちで仕事をしていいかが自分の中でうまく整理できなくて。
川上:なんでしょう、実態の無いものを売るような感じですかね。
水沼:そうですね。そういう仕事より、作った物を売って、買った人に喜んでもらえるようなシンプルな仕事がいいと思っていました。その後も色々考えたのですが、売りたいものというか、本当に自分がお勧め出来る物を売れる会社がいいなと。そう考えるともう諏訪田っていう名前が出てきて、本当に良い爪切りを作っている会社だと知り、そういうものだったら絶対にお勧め出来るなと思って、簡単に言うとそれでこの会社を受けようと決めました。就職活動もこの1社しか受けませんでした。
川上:それは凄い。そうして無事に(株)諏訪田製作所に内定をもらったわけですね。他に受けようとは思わなかったのですか?
水沼:説明会とかも行きましたが、どうしても大きい会社になればなるほど、僕の中で分かりにくいという思いや、自分がそこで充実しているイメージが出来なかったり。
川上:本当に良いモノを作って売る。確かにそう考えると凄く分かりやすいですね。では、実際に就職して、営業として良いモノを売る立場となってみてどのように感じましたか?
水沼:大きい会社ではないので、作っている職人と、売る人間の距離が近いんですね。そういう点も、売ることのやりがいに繋がるんだろうなと想像はしていたんです。でも来てみて一番想像と違ったのは、自分と職人という立ち位置だけじゃなく、そこにお客様が加わることでした。僕はあんまりそこまで考えてなくて。(株)諏訪田製作所は5年前からオープンファクトリーになっていて、実際職人と自分とお客様がすごく近いんですよ。そんな最短距離に3者がいる状態で、この爪切りいいねとか、買えてよかったとか、そういう声が直に聞けるのは、すごく感動できることでした。
川上:それって当たり前のようだけど簡単なことじゃないですね。製造業ですから。エンドユーザーが来てくれて、その声をそれだけ近い距離で直に聞けるというのは、なかなかないことかもしれません。
水沼:私が入社したのがオープンファクトリーになって4年目の年でしたから、すでに当たり前のことになっていたかもしれませんが、新鮮というか、思っていたのと違うことでしたね。あとですね、あ、なんかすいません、いっぱい喋っちゃって。
川上:いえいえ、大丈夫です(笑)。続けてください。
水沼:学生時代に、仕事したら海外に行きたいとも思っていて、(株)諏訪田製作所ならそれが叶えられると思ったんです。それもここに来た理由の一つでもあります。
川上:それも一つの夢ですね。
水沼:はい、実際に今年の5月に、ロンドンのチェルシー・フラワーショーに出張で行かせて頂いて、その瞬間はとても嬉しかったですね。
川上:フラワーショーですか。
水沼:チェルシー・フラワーショーは世界最大のお庭や園芸の祭典なのですが、当社は盆栽用の剪定鋏を作っているので、主にそれを売りに行きました。学生時代から、内定決まった後に、社長には散々お前英語勉強しておけよと言われていたんです。あまり勉強するような学生時代じゃなかったので、これはまずいと思い、当時とりあえず1人で1ヶ月フィリピンに行きました。
川上:へぇーすごい!行動力ありますね。
水沼:それが一番早いなと思って、「留学 安い」で検索すると、フィリピンが出てきて、これしかないなと。
川上:シンプルですね(笑)
水沼:シンプルに(笑)。お金も無かったですしね。
川上:でも確かに、(株)諏訪田製作所の営業では必須スキルでしょうね。
水沼:だと思いますね。昨日も合計で30人以上外国の方が来られてますので。やっぱりどうしても喋らなきゃいけないですね。
川上:私も大分前に、仕事で東京のギフトショーで(株)諏訪田製作所さんとご一緒させて頂いたことがありましたが、その時も外国のお客様がブースに来ていて、従業員の皆さんが誰でも対応していたのを覚えています。私その時から思ってましたが、(株)諏訪田製作所さんの商品が並んでいると、当然ものが良いし、単純に見ていても綺麗で。
水沼:本当に職人ありきですけどね。
川上:その分確かに売りやすいのかなと。
水沼:商品に力があるので、変に言葉を飾り立てることも無く、実際に見て使ってもらって、「こうやって作っています」と本当のことを言って、そして買ってもらえる。嘘偽りがないというか、僕はこの流れがやりたかったんだなと思います。
川上:(株)諏訪田製作所の商品には、それだけの力があるということですね。では、また別の質問をさせてもらえればと思うのですが、今に至るまで、どのようなことで苦労されましたか?
水沼:そうですね・・・仕事関係ないかもしれませんが。
川上:大丈夫です。
水沼:本格的に三条市に住んで、最初2・3ヶ月は知り合いや友達が全然いないので、仕事は充実していましたが、家に帰ってから何もすることが無くてつまらなかった日々でしたね。なんか、家の中の同じところをずっと拭いてました(笑)
川上:(笑)
水沼:本当にやることがなくて。(株)諏訪田製作所の最初の1・2ヶ月は新人研修で、その中で1日中掃除があるんですよ。ひたすら工場や周りの草取りなどをしてましたが、その状態でも家帰って掃除してました(笑)。苦労とは違うかもしれませんが、退屈でしたね。
川上:でもそれもどこかから状況が変わって来たんでしょうか。
水沼:会社の人とも打ち解けてきたこともありますし、工場の祭典のパーティーで、サーフィンをやられている方に声をかけていただいて、海に連れて行ってもらったり教えてもらったりして、少しずつ生活に彩りが出て行きましたね。あとは会社の先輩に飲みに連れて行ってもらったりとかですね。
川上:なるほど、そういった繋がりからちょっとずつ交友関係も広がっていったわけですね。
水沼:そうですね、あと、スノーピークの山井社長や(株)タダフサの曽根社長、(株)玉川堂で今年の工場の祭典実行委員長の山田さん等まだまだいらっしゃるんですが、明治大学出身の方がいらっしゃって。大学の地域の校友会が毎年あるんですが、そこに参加させて頂いていて、そういった所で声をかけていただいたりとか。
川上:なかなか地域の名だたる人たちが集まってますね。
水沼:そうなんです。自分だけ新入社員で、ほかは皆さん素晴らしい方々で。恐縮にも思いますが、後輩ということで、飲みに連れて行ってもらったり、地域に先輩がたくさんいるので。本当にそこは大学の繋がりや工場の祭典の繋がりなどで、今は非常に楽しくさせてもらっています。
川上:いいですねぇ。では、この街に来てショックだったことはありますか?
水沼:そうですね、ショックというほどでもないんですが、あんまりとんこつラーメンが無いことですかね。
川上:とんこつラーメン!?
水沼:山口出身なので、山口は博多のとんこつラーメン文化が入ってきているので、僕大学入るまでとんこつラーメン以外はカップかインスタントしか食べたことなかったんですよ。なんかもう、ラーメンといえばとんこつ!っていうのが自分のアイデンティティになってて。
川上:体がとんこつを求める感じですか。
水沼:飲んだ後とか特にそうですね。地域にとんこつが全く無いわけではないんですが、基本的に醤油、背脂とかが多いので、今は背脂ラーメン好きになりましたが、この街のラーメン文化はある意味ショッキングでしたね。
川上:そうですか、ここに住んでいるともうこれが当たり前みたいに思ってました。でも私も逆に市外に行ったときは背脂探すときありますね(笑)
水沼:そうですよね(笑)。でも米もお酒も美味しいし、料理はとても美味しいですよね。
川上:確かに。では続いての質問です。またマイナス面の質問で恐縮ですが、この街に住んで不便に思っていることはありますか?
水沼:一つだけありますが、僕は会社の人とサクッと飲みに行きたいんですよ。会社の場所柄、三条市か見附市に在住の人が多くて、また三条で飲むとすると、大体本寺小路か燕三条駅周辺かとなって、僕は凄く本寺小路ファンなんですが、いずれで飲むにしろ運転代行が必要になるところが不便だなと思いますね。僕は会社の人たちと凄く飲みニケーションをしたいんですが、なかなか近場の人だけになってしまったり。
川上:なるほど、うーん、車社会なので、なんともしがたいところですね。電車とかの交通網があれば確かにいいですが。水沼さんもお車ですか?
水沼:そうですね。今僕は新光町に住んでまして、新光町にしたのも、ゼミの岡田教授が、三条に住むなら本寺小路の近くが良いといわれて、そうしたんです。それは結果的に良かったですけどね。僕は何件も行きたいタイプなので、そうするともう、本寺小路最高で(笑)
川上:確かにそういう方にはうってつけの所ですね(笑)。では、今この街で一番やりたいことって、何かありますか。
水沼:うーん、正直なところ、今は目の前の仕事で手一杯というか、あまり凄く大きなプロジェクトを自分の中で持って動いているというよりは、今はあることをやるのが精一杯ですが・・・
水沼:この街でというと、街にそれこそ情熱ある、この街をどんどん盛り上げていこうという、キーマンというか、そういう熱意を持った人が凄く多いじゃないですか。
川上:多いです!
水沼:こんなにいるのか、っていうくらい多いと思うんですね。皆さんあんまり言わない人でも、実はこうしたい。って思ってたりとか。市役所の人も自分で鍛冶を絡めて小説書いちゃったりとか。色んなパワーが出てるので、その波に乗っていきたいですね。やっぱりサーファーとしては(笑)。
川上:はい(笑)
水沼:今の段階ではまだ自分が何かムーブメントを起こして、ということは考えられませんが、そういう人たちに少しでもついていけるようにしたいなと思っています。
川上:なるほど、それこそ先ほど言われた明治大学のコミュニティーもそういう方多いですね。
水沼:ホントに。面白いですよね。実は(株)諏訪田製作所は今年90周年で、僕も90周年プロジェクトチームの一員になっているんです。そのスローガンがリーディングファクトリーと言って、常に工場の先頭を走って、リードしていきたいという思いがあります。僕はまだまだ地域でリードされている先輩方がいるので、ついていけるようになりたいなと思いますが、会社としては、どんどん町工場の可能性を広げるというか、新しいことや、大事なことにチャレンジしていきたいなと思っています。
(株)諏訪田製作所 90TH ANNIVERSARY SUWADA ILLUMINART FES
https://www.facebook.com/events/1144366125611370/
11月26日(土)・27日(日)に(株)諏訪田製作所のオープンファクトリーで開催されます。
川上:いいですね、リーディングファクトリー。凄く大切なことを聞かせて頂いたと思います。では最後の質問です。あなたが思う、未来を切り開くために必要な力とは?
水沼:はい、「行動力」だと思います。
川上:「行動力」!、どのような理由でしょうか。
水沼:自分のことを色々考えましたが、例えば僕がサーフィンなど色々手を出して、休日が楽しくなってきたこととか、仕事も90周年のプロジェクトチームをなど、色々やらせてもらえるようになってきたのは、やりたいと言ったからです。とにかく動いてみるというのが小さいながら結果に繋がっています。フィリピンに行って英語を学べたことも、それこそ燕三条に来て、多くの人と出会えたことも、ちょっと不安でも、動いたことで繋がったと思っています。今はまだ皆さんについていくことで精一杯ですが、いずれは自分が動き、波を起こせる人間になっていきたいと思っています。
川上:素晴らしいお話、誠にありがとうございました。
オフショット。工場に隣接するショップでも色々お話を聞かせていただきました。
ショップ内で工場の様子がモニターに生中継されてます。
本日も素敵なメッセージを頂きました「行動力」確かにとっても大事なことだと思います。水沼さんの力をもらって、私も20回を目指して「行動」してゆこうと思います(^^)/
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