青年会議所とは
青年会議所(Junior Chamber)は、「明るい豊かな社会」の実現を理想とし、 時代の担い手たる責任を持った20歳から40歳までの指導者であろうとする 青年の団体です。
1949年、共に向上しあい、社会貢献しようという理念のもと、青年有志により設立された東京青年商工会議所(法改正に伴い 青年会議所と改名)その理念は瞬く間に全国に広がり、各地に 次々と青年会議所が誕生。1951年には、全国的運営の綜合調整機関として、日本青年会議所(日本JC)が設けられました。 現在、全国に695の青年会議所があり、新潟県では22の青年会議所会員が、JC運動の3つの信条「修練・奉仕・友情」のもと、よりよい社会づくりをめざして、まちづくりから行政改革、社会的課題に積極的に取り組んでいます。さらには、国際青年会議所のメンバーとして、世界の青年会議所と連携し、国境を越える交流や地球環境保全など世界を舞台として、さまざまな活動を展開してます。
『青年会議所の特性』
青年会議所には、品格ある青年であれば、個人の意志によって入会できますが、20歳から40歳までという年齢制限を設けています。これは青年会議所が、青年の真摯な情熱を結集し社会貢献することを目的に組織された青年のための団体だからです。会員は40歳を超えると現役を退かなくてはなりません。この年齢制限は青年会議所最大の特性であり、常に組織を若々しく保ち、果敢な行動力の源泉となっています。
各青年会議所の理事長をはじめ、すべての任期は1年に限られます。会員は1年ごとにさまざまな役職を経験することで、豊富な実践経験を積むことができ、自己修練の成果を個々の活動にフィードバックさせていけます。
青年会議所におけるさまざまな実践トレーニングを経験した活動分野は幅広く、OBも含め各界で社会に貢献しています。たとえば国会議員をはじめ、知事、市長、地方議員などの人材を輩出、日本のリーダーとして活躍中です。
JCの三信条
TRAINING (修練) 地上最大の宝は個々の人格にあり
SERVICE (奉仕) 社会への奉仕は人生最大の仕事である
FRIENDSHIP (友情) 友情は国家主権に優先する
1950年5月1日に、現在の日本青年会議所の前身であるJC懇親会の中で、JC運動の行動綱領としてこの三信条が採択された。
この三信条の意は、JC運動とは、若い人々が集まって自己啓発・修練を行なう場であり、培われた力を用いて地域社会にサービス(奉仕)することである。そして、そのトレーニング・サービスを支える力として、会員全員、同志を貫くフレンドシップ(友情)がある。というものです。
JCI Creed
JCI Creed 意訳
The Creed of Junior Chamber International
We Believe
我々はかく信じる
That faith in God gives meaning and purpose to human life;
真理は人生に意義と目的を与え
That the brotherhood of man transcends the sovereignty of nations;
人類の同胞愛は国家による統治を超越し
That economic justice can best be won by free men through free enterprise;
公正な経済は我々の自由な経済活動によってこそ果たされ
That government should be of laws rather than of men;
政府には人治ではなく法治が必要であり
That earth’s great treasure lies in human personality;
人間の個性はこの世の至宝であり
and That service to humanity is the best work of life.
人類への奉仕が人生最大の使命である
JCI Creed 解説
JCI Creedは1946年、当時、オハイオ州コロンバス市の新入会員であったビル・ブラウンフィールド氏が初めて参加したミルウォーキーでの全国会員大会から帰る途中に作成され、翌年、アメリカJCで正式に採択されました。そして、1951年に「Faith in God」という語句が冒頭につけ加えられました。
JCI Creedは「彼らが住んでいる世界をより良くしようとする若者の心に存在する精神の完全なる表現」として引用されています。しかし、JCI Creedは世界的なJC運動の基盤であるにもかかわらず、会員の中にはこれを誤解しているものもあるということから、草案者ブラウンフィールド氏によるJCI Creedの解釈が語られました。
~以下、「BIBLE OF JAYCEE(P177)」より抜粋~
「各JCは自分の良心に照らして綱領を解釈する自由がある。だから私も綱領が私にとって何を意味するかを説明する時、自分自身のために話すわけである。」
JCI Mission
JCI Mission 意訳
To provide leadership development opportunities that empower young people to create positive change.
青年会議所は、青年が社会により良い変化をもたらすためにリーダーシップの開発と成長の機会を提供する。
JCI Mission 解説
・(2022年)改定のポイント
2022世界会議香港大会の総会にて、JCIが「Leadership Development Opportunities(リーダーシップの開発と成長の機会)」をいかに重視しているかを正確に示すためにミッションが再定義されました。JCIは、変化する世界に対応するリーダーを育成する組織であるということがより明確に示されました。
・JCI Missionとは
JCI Missionとは、我々、青年会議所の「使命」です。
青年が社会により良い変化をもたらす力、つまり運動を起こす事ができるようになるために、青年会議所では「リーダーシップ」の開発と成長の機会を提供します。
・leadership development:リーダーシップの開発とリーダーシップの成長
開発とは、メンバーのリーダーシップ能力を引き出すことです。そして、成長とはその能力をさらに伸ばしていくことです。
「リーダーシップ」とは、目的思考と行動力を兼ね備え、周囲の人々へ影響力を発揮することです。これらの能力の開発と成長の機会を得ることによって、青年が社会により良い変化をもたらします。また、メンバーがJCIに入会していることを誇りに感じることができるようにします。
・positive change:より良い変化
メンバーが起こすべき変化は、常に最善を求め、現状よりも良い社会を創造することです。より良い変化をもたらす力、すなわち「運動を作ることができる力」を青年が持つということです。青年として意義と目的を持ち、全世界が直面する大きな試練を乗り越えていかなければなりません。
JCI Vision
JCI Vision 意訳
To be the foremost global network of young leaders.
青年会議所が、若きリーダーの国際的ネットワークを先導する組織となる。
JCI Vision 意訳
・(2022年)改定のポイント
2022世界会議香港大会の総会にて、JCIが世界で偉大なことを成し遂げようとする若いリーダーたちの、最高、最大、かつ最も影響力のある組織になるというビジョンが示されました。つまり、青年会議所が若きリーダーを世界的に繋げ、国際的ネットワークを形成することに最も影響力のある組織であるということを強調するために、「leading」という単語から「foremost」という単語に変更されました。
・JCI Visionとは
JCIは全世界が直面する大きな試練を乗り越えようと変革の最前線に立つ若きリーダーたちにとって、最も影響力のある国際的ネットワークを先導する組織になることを目指しています。
・global network:国際的ネットワーク
国際的ネットワークとは、世界で偉大なことを成し遂げようと変革の最前線に立つ若きリーダーたちの、国境を超えた世界的なネットワークのことです。
・the foremost global network:国際的ネットワークを先導する
「the」とは唯一無二を指します。
青年会議所は、国際的ネットワーク(世界で偉大なことを成し遂げようと変革の最前線に立つ若きリーダーたち)を先導する他に無い「唯一無二」の存在になるということが、青年会議所が目指す組織像です。
JC宣言文
JC宣言文の解説
・第1節「日本の青年会議所は」(主語)
「青年会議所は」と明示することで、この宣言文が会員個人ではなく、「組織」としての宣言であることを示しています。また、「日本の」とすることで、国内における全ての青年会議所がJC宣言文の主語であることを明示し、志を同じくする全国の会員同士の強い「連帯」も表現しています。
・第2節「希望をもたらす変革の起点として」(組織の在り方)
青年会議所は、明るい豊かな社会を創るために、社会により良い変化を生み出す「変革」を運動として起こすことに挑戦し続けてきました。物事のはじまりを意味する「起点」は、青年会議所が「率先して行動する組織(Dotank)」であれという矜恃を表現し、私達から社会変革を生み出していくという意志も表しています。そして、その運動によって生み出すものの本質は、誰もが、社会と自らの人生をより良くすることができると実感する「希望」であることを示しています。
・第3節「輝く個性が調和する未来を描き」(時代背景)
昨今の潮流の中で、グローバリズムからナショナリズムへ、また利他から利己へと、行き過ぎた国家主義や個人主義が助長されています。
本来であれば、考え方や生き方の違いは二項対立の構図ではなく、多様性や包括性といった価値観の中で、異なる「個性」として尊ばれるべきものです。
「調和」は、同調を強要し個性を抑圧するものではありません。「人間の個性はこの世の至宝である」と信じる青年会議所は、特定の政治思想にも、また、ナショナリズムや宗教や、人種、ジェンダーにも偏らず、あらゆる若者が挑戦できる社会に開かれた組織であるからです。
この様に、広がりつつある「分断」の時代において、様々な個性やアイデンティティの架け橋となる「未来を描く」強い意志を示しています。
・第4節「社会の課題を解決することで」(手法)
青年会議所は「社会に対して何をする組織なのか?」という問いに対する明確な答えを表しています。地域に根差す青年会議所の運動は、社会の幅広い課題を抽出し、自らそれを解決することと位置付けています。「社会の課題」とは、地域固有の課題だけではなく、経済の再生や少子化、高齢化といった国家的な課題、あるいは気候変動や人権問題といった国際的な課題を含み、およそ青年が取り組むべき様々な課題を包括しています。どの様な社会課題であっても、それは地域だけではなく国家や世界と複雑に関係し合っているからです。だからこそ、私たちは、多面的な「社会課題」を解決する運動を地域毎に起こし、そして、私たちが持つ組織のネットワークによって全国、あるいは世界的な運動へと拡大させ、より良い社会を創り出すことができることを表しています。
・第5節「持続可能な地域を創ることを誓う」(目的)
日本の青年会議所は、1990年に「地方分権推進宣言」を、さらに、2019年には「SDGs推進宣言」を総会で決議しました。「持続可能」とは、地域の人口や財政、環境を持続可能なものとするに留まらず、そこに住まう全ての人々が笑顔で生きがいを持ち、自ら挑戦し続けることができる社会を意味します。全国各地の青年会議所が様々な社会課題を解決することで、自らが住まう地域を持続可能なものとし、そしてその総和によって「明るい豊かな社会」を創ることを誓う形で宣言しています。
綱領
綱領の解説
JAYCEEの意志を統一し、日本青年会議所のあり方を再認識するため、1960年に日本独自のものとしてJC綱領が制定されました。この綱領は、青年会議所としての理念を確立し、JAYCEEの運動目標を明確に位置づけたもので、4節で構成されています。
・第1節「社会的・国家的・国際的な責任を自覚し」
地域社会、国家としての日本、そして国際規模の活動というJCのあるべき立場を明確にしています。
・第2節「志を同じうする者、相集い、力を合わせ」
同じ考え方、立場にある人達が集まり、その力を集結してことにあたるという行動指針です。
・第3節「青年としての英知と勇気と情熱をもって」
若者らしいその行動には、英知と勇気と情熱をもってあたるべきであることを説いています。
・第4節「明るい豊かな社会を築き上げよう」
JC運動の目標を示しています。