理事長所信

理事長メッセージ
【はじめに】
青年会議所は奉仕、修練、友情の三信条をもとに日本、また世界中の各地域をよりよくするために運動を巻き起こしています。燕三条青年会議所も例外ではなく、燕三条地域のよりよい未来を見据え、県央中核市誕生を目指した先輩諸賢の高い志と御尽力をもって創立されました。私自身は燕三条青年会議所、JCという名前こそ聞いたことはありましたが、当初はどんな団体か、何をしている団体かも分からぬまま、ご縁があり燕三条青年会議所に入会させていただきました。ただ、どのような団体かさえ分からない状況ながらも「燕三条」という括りで活動しているこの地域で唯一無二の青年団体であるということが入会の決め手であったことを今でも鮮明に覚えています。そして入会後、様々な運動に携わらせていただいてきた中で徐々に見えてきたのが、まさに奉仕、修練、友情を体現する「ひと」でした。私自身、燕三条青年会議所に入会するまでこの地域について何も理解していませんでした。ただ、漫然と日々の仕事をこなし、未来のまちがどうなるのか、どうしていきたいかなどにも全く関心が無く、どこかの誰かが勝手にやってくれるのだろう、という考えしかありませんでした。しかし、堂々と夢や理想を語り、誇りと覚悟を持って地域のために活動していく多くのメンバー達と接していく中で、私の中で確かに何かが変わったのです。誰しも何か一つのきっかけを掴むことで意識は変わるのだと信じています。青年経済人として、この地域に住み暮らす一市民として、様々な地域課題に対し他責にせずとことん向き合い、長い時間をかけ議論を重ねていく中で得られる知識や経験。皆が自分事として真剣に向き合うからこそ、時にもがき苦しみ、時に他者と本音でぶつかり合い、時に支え合う中で、お互いの価値観や考え方を深く理解することで生まれる絆。その絆は利他の心、即ち誰かのために行動を起こせる原動力へとなります。この貴重な成長の機会は、青年会議所に入会していなければ決して得ることが出来なかったものであり、今後の人生においてもかけがえのないものになると今では確信しています。
そして、今年度は先輩諸賢からいただいてきた経験と御恩に感謝するとともに、次代の担い手へと想いをつないでいける機会と捉え、一年間全身全霊で理事長職を全うさせていただく所存でございます。私たちはこれまでの燕三条市実現に向けた歩みとその情熱を大切にしながらも、青年らしく新たな時代にふさわしい行動を実直に示していくために、いつの時代であっても変わらないもの、ひととひと、ひとと地域の「絆」を中心に据えた運動を展開していきます。
【国境を越えた絆を深め国際都市燕三条へ】
昨今のインバウンド需要の波はこの燕三条地域でも例外なく高まっています。それは燕三条地域が産官民挙げて取り組んでいる、アクティビティを取り入れた産業観光や、先達が築き上げてきた歴史ある伝統文化に基づくストーリー性が海外の方にとっても魅力的に映るからであり、他地域にも劣らぬ国際都市になり得るポテンシャルを秘めた地域であると私は考えています。日本人と同様に、海外から来訪される方にとっても「モノよりコト」という価値観が高まっていることがこの結果をもたらしていると言えます。一方で、今後の未来を見据え、インバウンド需要に対応できる地域づくりや、今後起こりうるオーバーツーリズムという課題に対しても考えていくことが必要不可欠です。また、この地域で働き、暮らす海外からの居住者も増加傾向にあります。燕三条地域の発展、活性化のためにはそのような方たちが単に働き手としてではなく、この燕三条地域に魅力を感じ、地域とともに共生でき、安心して暮らしていけるコミュニティや環境、ひとづくりも重要です。
元々アメリカのセントルイスで発足した青年会議所は、世界各地に存在し、国境や人種を超えた国際的なネットワークがあることが一つの強みでもあります。今年度、国際青年会議所の事業としてアジア太平洋エリア会議、通称ASPAC(Asia Pacific Area Conference)が新潟の地で開催されます。アジア太平洋地域に所属する青年会議所メンバー約1万人の来訪が見込まれるとともに、新潟県内への経済効果は約14億円とされており、必ずや燕三条地域にも交流人口増加とその波及効果があることでしょう。国境を越えた新たな「絆」を深めることは、私たち青年会議所のみならず、地域と協働し推し進めることで、今後の持続的なアウトバウンドや地域のダイバーシティについて考える機会にもつながる大きな可能性を秘めています。この絶好の機会を、国際都市燕三条を見据えたまちづくりへの検証、改善のターニングポイントとすることで、グローバルな視座を持つ人材を地域に増やし、燕三条地域のさらなる発展へとつなげていきましょう。
【地域とひとをつなぐ絆で誇れるまち燕三条へ】
燕三条地域は、ものづくりに代表される産業の伝統と革新が共存する、日本を代表する地域であり、長年にわたり受け継がれてきた技術、またそこに携わるひとの力によって国内外に誇れる産業基盤とブランド価値を築いてきました。その根底には、自身の仕事や製品が世界中で名を馳せているという誇りとプライドから成るものづくりの精神、分業制に由来されるよう一社では出来ない仕事も協力することで乗り越え、相互に技術を高め合ってきた地域内のつながりや共助の文化があると私は考えています。しかし、今この地域は人口減少、少子高齢化に伴う働き手、後継者不足、新型ウイルスの影響やデジタル化に端を発した人間関係の希薄化など、様々な課題に直面しています。中でも若年層の他地域への流出は、地域の中長期的な担い手不足を招き、産業衰退、ひいては地域の持続可能性にも大きな影響を及ぼします。燕三条地域の価値をさらに高め、次世代へと継承していくためには、誰もが「誇れるまち」であると感じるとともに、一人ひとりが「地域をよりよくしていこう」という意識を持つ、シビックプライドの醸成が必要です。
これからのまちづくりにおいては、産業的価値の継承とともに、地域との新たな関わり方を提示していくことが重要です。特に若い世代に対しては、就職や定住といった直接的な産業の接点だけでなく、文化・表現・共感を通じた接点=文化的ゲートウェイを整備していくことが、地域への関心と帰属意識の醸成につながります。地域に誇りと愛着を持ち、「自分ごと」として未来の地域を考える市民を増やしていくことこそが、真のシビックプライドの土台となります。私たち青年会議所がまちの理想像を一方的に描くのではなく、市民と対話し、共に考え、行動する中で、「誇れるまち」への実感と当事者意識を育む運動を展開していきます。次世代を担う若者たちにとって、燕三条が「帰ってきたい」「関わりたい」と思える地域となるよう、私たち責任世代が夢と覚悟を持って挑戦していくことが、持続可能な地域づくりへの第一歩となるのです。この地域の産業に携わる青年経済人として、明るい豊かな地域を目指す青年会議所だからこそ出来ることは何でしょうか。ひととひと、ひとと地域の「絆」を生み出す運動を通じて、地域の価値を再発見し、地域と市民が世代を超えてつながる一体感あるまちを共に育んでいきましょう。
【絆を深めるパートナーシップの強化】
持続可能な地域発展のためには、共に地域課題解決に取り組んで行けるパートナーシップが必要不可欠です。互いの知見や事例を理解し、学び合うことで新たな発想が生まれ、より価値のある解決策を創出できるのです。青年会議所の活動においても、私たちメンバーだけで完結するものではありません。燕三条青年会議所は来年2027年には創立から30周年を迎える中で、今後も燕三条地域に根差した団体として先輩諸賢や行政、教育機関、経済団体など、様々なステークホルダーと連携しながら、共に地域課題解決に取り組んでいく必要があります。そのためには、形式的な連携ではなく、お互いに深い理解と共感に基づく「絆」のある関係性が求められます。これまでに先輩諸賢が築き上げてきた信頼関係という無形資産は私たちの誇りであり、それを受け継ぎ、さらに発展させていくことが、私たちの責任でもあります。
そして、県内外各地に存在する青年会議所とのネットワークも重要です。青年会議所には、新潟県内21地域にLOM(Local Organization Member)と呼ばれる各地青年会議所、そしてそれを包括する新潟ブロック協議会、北陸信越5県を対象とした地区協議会、さらには全国各地のLOMから成り立つ日本青年会議所など望めば望むほど多くのステージが用意されており、出向や各種フォーラムなどへの参加という形で関わることで多くの同志と関係性を築くことや、LOMだけでは得ることのできないさらなる学びを得られます。私自身も少ないながらも、出向や他LOMメンバーとの交流を通して、青年会議所の新たな魅力に気付かせていただいた経験があります。しかしながら近年メンバーの出向やLOM外の事業への意欲が高いとは言えず、LOMを超えたつながりを得る機会も減っているのが現状であるため、出向や他LOMとの交流の魅力を改めて知ることも重要です。組織の垣根を超えたパートナーシップを育むことで「絆」という希望の火を灯し、地域の未来へとつなげていきましょう。
【共感で広がる新たな仲間との絆と恩送り】
青年会議所では、年齢や立場を超えた縦横のつながりがあるからこそ、様々な価値観や考え方を知ることができ自身の成長に結びつきます。近年の燕三条青年会議所では、在籍年数の短さが顕在化し、アカデミー会員と呼ばれる入会3年以内のメンバーの比率が約3~4割を占めていますが、私はこれを単なるデメリットだとは思いません。常に新しい価値観を取り入れられる青年会議所だからこそ、時代に即した運動を生み出し続けることが出来るのです。私たちの運動の原動力はひとであり、新たな仲間です。私たちは持続可能な地域発展のために、共感と挑戦の連鎖によって、新たな会員を増やすことでこの地域にリーダーを生み出し続けていく必要があります。そのためには、青年会議所の活動に意義を感じ、ひとが増える組織、そして成長できる組織を作る必要があります。どのようなメンバーが在籍している団体なのかを知ってもらう交流会や、過去に蓄積された他地域の成功事例などを取り入れた拡大運動、青年経済人が集う団体としてビジネスの機会を活用したセミナーなど、新たな仲間に青年会議所の魅力や意義を伝えられる方法は無限にあります。より多くの「共にありたい」と思える新たな仲間と出会い、挑戦をし続け友情を育むことが、私たちの運動に新たなアイディアとインパクトをもたらし、より価値のあるものに変えていきます。今年度は、30名の新たな仲間を迎え入れることを目標にメンバー一丸となって拡大運動に取り組んでいきましょう。
また、青年会議所に新たに加わった仲間にとって、入会当初の関わり方がその後のモチベーションを大きく左右します。私自身そうでしたが、入会当初は不安の方が大きく、活動と言っても何をしていいかも分からない状態でした。しかし、そんな時に先輩方や同期入会のメンバーの存在がその不安を解消してくれました。青年の学び舎として、能動的に活動に参加でき、志を同じくできる仲間たちと出会い、共に語り合い、自身の成長を実感できる「居場所づくり」を大切にしたいと考えます。そのためには、新入会員に対してのオリエンテーションや機会の提供を充実することにより、メンバー間の関係性を深め、個人の力が最大限に発揮される組織づくりを目指します。そして、年齢も立場も超えた強いつながりが、困難に対して挑戦する強さと、他者に対しての優しさをもたらします。「Chance」ではなく「Opportunity」を自ら掴みに行くことで、自己の成長と多くの仲間との友情を育み、能動的なJAYCEEとなりましょう。新たな「絆」が生まれる現場にこそ、青年会議所の価値があるのです。そしてその「絆」が恩送りとして、次代にも持続的につながっていく組織風土を醸成しましょう。
【絆で支える組織運営】
どれほど素晴らしい理想を掲げたとしても、組織が円滑に機能しなければそれは実現には至りません。青年会議所という組織にとって、事務局の存在は運営の屋台骨であり、メンバー一人ひとりが安心して積極的に活動に取り組める環境づくりに欠かせません。そのためには、予算執行の適正化や情報共有の透明性、意思決定の迅速化などの運営体制が重要です。そしてそれは、組織内での信頼関係があってこそ、実行力が生まれ、継続的でドラスティックな挑戦が可能になります。組織内の連携をより強化し、柔軟かつ実行力のある運営を目指します。会議や懇親会が単なる報告の場ではなく、想いを交わす場となるような工夫を取り入れ、メンバー同士のひととなりを理解し、すべてのメンバーが主役となれる仕組みづくりに挑戦します。
また、組織として私たちの活動内容を対外にPRしていくことも重要です。他者から見た私たちの情報発信がどのように映っているのか、それを考え伝えていく必要があります。PRとはPublicRelations、それは即ち単なる情報発信にとどまらず、地域社会や公共からの協力や支持を得るための活動を指します。そのためには、組織に属するメンバー、その活動内容やイメージなどを他者に理解してもらい、さらなる共感を得ていくことが必要です。組織内の信頼関係が強固になってこそ、初めて組織外に向けた大きな力となるのです。組織の「絆」を深め、理想を現実へと変えていける組織になりましょう。
【第56回新潟ブロック大会の開催】
今年度燕三条青年会議所は、第56回新潟ブロック大会を主管します。ブロック大会とは、県内21LOMから成る新潟ブロック協議会の1年間の運動の成果を発信する場であるとともに、各種フォーラムや交流会を通じたつながりの構築、開催地域がどのような地域であるか、その魅力を強力に発信できる場でもあります。来訪された方に燕三条地域の魅力を体感していただくことは、今後の交流、関係人口の増加へとつながり、必然的に地域にとっての益となります。
また、私たちLOMメンバーにとってもベテランが減少している今、ブロック大会という大規模な事業の設営を通した実践の機会とすることで、燕三条青年会議所創立30周年に向けた成長と絆を生み出す絶好の機会となります。今こそ奉仕・修練・友情の三信条を胸に、多くの同志たちとの絆を深めるとともに、燕三条の魅力を広く伝播していきましょう。
【おわりに】
「True friendship is a plant of slow growth, and must undergo and withstand the shocks of adversity before it is entitled to the appellation.(友情は成長の遅い植物である。それが友情という名の花を咲かすまでは、幾度かの試練、困難の打撃を受けて堪えねばならぬ。)」
これはアメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンが述べていた言葉です。
絆は決して一朝一夕で成り立つものではありません。
ゆっくりでもいい。
着実に一歩ずつでもいい。
青年らしく怯むことなく共に困難に向かって挑戦し続け
地域や仲間との信頼関係を築いていきましょう。
それがいつか自分らしく住み続けられるまち燕三条への芽になると信じて。
絆 ~つなぐ想い、つながる未来~
【運動方針】
(1)燕三条地域のグローバリゼーションに向けた検証と多文化共生できるまちづくり
(2)燕三条地域と市民の一体感、郷土愛の醸成
(3)燕三条青年会議所創立30周年に向けた関係機関、諸団体、先輩諸賢、他LOMとのパートナーシップのさらなる強化
(4)燕三条青年会議所への共感を生む会員拡大の推進と新入会員が活動に意義を見出せる会員育成
(5)燕三条青年会議所の組織力と情報発信の強化
(6)新潟ブロック大会の開催
(7)燕三条市実現へ向けた運動


















